採用時の問題社員対策|入社前にできることは?
はじめに
従業員トラブルの相談を受けると、
- 「採用してみたら思っていた人材と違った」
- 「問題社員なので辞めてもらいたい」
という話をよく耳にします。
しかし、日本の労働法では、一度採用した従業員を解雇することは簡単ではありません。
だからこそ、問題社員対策は入社後ではなく採用段階から始まっています。
採用後の解雇は簡単ではない
経営者の中には、
「合わなければ辞めてもらえばいい」
と考える方もいます。
しかし、解雇には客観的に合理的な理由と社会的な相当性が必要です。
能力不足や勤務態度不良を理由とする場合でも、
- 指導
- 教育
- 改善機会の付与
などが求められることが少なくありません。
そのため、採用時の見極めが非常に重要になります。
採用時の見極めが重要

採用時に確認しておきたいこと
採用段階では、
- 職歴や資格に誤りがないか
- 業務内容や勤務条件について認識違いがないか
を確認しておくことが重要です。
採用後のトラブルの中には、能力や適性の問題ではなく、採用時の説明不足や認識の相違によるものも少なくありません。
採用時に確認しておきたいこと

試用期間を活用する
試用期間は、採用した従業員の適性や能力を見極めるための制度です。
会社にとっては、
- 業務遂行能力
- 勤務態度
- 協調性
などを書類や面接だけでは分からないレベルで確認できるというメリットがあります。
また、本採用後よりは広い範囲で本採用拒否が認められる場合があるため、採用リスクを軽減する役割もあります。
試用期間でも自由に辞めさせられるわけではない
もっとも、
「試用期間中だから自由に本採用を拒否できる」
というわけではありません。
本採用拒否が認められるためには、
- 能力不足
- 勤務態度不良
- 経歴詐称
などについて客観的な根拠が必要です。
また、
- 面談
- 指導
- 改善機会の付与
などを行ったかも重要な判断要素になります。
さらに、同じ試用期間でも、新卒採用と中途採用では事情が異なります。
新卒採用の場合、企業は入社後の教育や育成を前提として採用しているため、本採用拒否は比較的厳しく判断される傾向があります。
一方で、中途採用の場合は、一定の経験や技能を期待して採用しているため、その前提となる能力が著しく不足している場合には、本採用拒否が認められやすくなります。
もっとも、いずれの場合も会社の主観だけで判断することはできず、客観的な記録や根拠が必要です。
内定取消しも簡単ではない
採用前だから自由に断れると考えるのも危険です。
裁判例の中には、内定取消しが無効とされ、会社に約200万円を超える支払いが命じられた事案もあります。
一度出した内定は、法律上保護される場合があります。
採用判断は慎重に行う必要があります。
まとめ
問題社員対策は、採用後に解雇を検討することではなく、採用段階でリスクを減らすことから始まります。
そのためには、
- 採用条件や業務内容を明確にする
- 試用期間を適切に活用する
- 面談や指導の記録を残す
- 本採用拒否や内定取消しを慎重に判断する
ことが重要です。
採用時の注意点

特に試用期間は、会社が応募者との適性を見極める重要な機会ですが、自由に解雇できる制度ではありません。
採用時の確認、試用期間中の評価、指導記録の積み重ねが、後の労務トラブルを防ぐ最も有効な方法といえるでしょう。問題社員対応にお悩みの管理職の方、経営層の方はお気軽にご相談ください。
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