内定取り消しは原則違法?企業が知るべき「3つの正当事由」と損害賠償リスク
「採用内定を出した後、重大な経歴詐称が発覚した」
「経営悪化により、どうしても採用を中止したい」
経営者・採用担当者の皆様、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、法律上の「内定」は「労働契約の成立」を意味するため、企業側の一方的な都合による取り消しは、原則として「解雇」と同等の厳しい制約を受けます。安易な判断は、訴訟リスクや賠償責任につながりかねません。
本記事では、企業法務に強い弁護士が「内定取り消しが違法になるケース・ならないケース」を具体的に解説。過去の判例に基づいた3つの判断基準と、トラブルを未然に防ぐための実務ポイントをお伝えします。
【法的リスク】「内定=労働契約」の重みとは?安易な取り消しが危険な理由
まず、法律の世界において「内定」がどのような意味を持つのか、ここをしっかりと押さえておく必要があります。
日常感覚では「内定=採用の予約」くらいに考えがちですが、法律的な解釈はもっと重いものです。

「内定取り消し」は「解雇」と同義?始期付解約権留保付労働契約の基礎知識
企業が「内定通知」を出し、学生や求職者が「承諾書」を提出した時点で、法的には「始期付解約権留保付労働契約」という契約が成立したと解釈されます。
少し難しい言葉が出てきましたが、シンプルに言えば「すでに社員として雇う契約を結んでいる状態」だということです。
そのため、会社側の一方的な都合で内定を取り消すことは、すでに入社している社員をクビにする「解雇」とほぼ同じ意味を持ちます。
法的には非常に厳しい制約があり、「やっぱり採用をやめます」というのは簡単には認められないのです。
違法にならない「内定取り消し」3つの例外ケース(経歴詐称・卒業不可など)
「では、どんな事情があっても絶対に内定を取り消せないのですか?」
そう不安になる方もいらっしゃると思います。ご安心ください。無条件にすべてが認められないわけではありません。
過去の裁判例(判例)において「内定取消しが認められる合理的な理由」とされるケースがいくつか存在します。

具体的には、以下の3つのようなケースです。
経歴詐称
採用の判断を左右するような、重大な嘘(学歴や犯罪歴の隠蔽など)が発覚した場合。
卒業不可(新卒の場合)
「大学を卒業すること」が入社の前提条件だったにも関わらず、卒業できなかった場合。
健康状態の著しい悪化
予定されていた業務に耐えられないほど、健康状態が悪化してしまった場合。
重要なのは、これらが「内定を出した時点では分からなかったこと」であり、かつ「それを知っていたら採用しなかっただろうと客観的に認められること」である点です。
採用トラブル・損害賠償を防ぐ3つの鉄則|通知書の記載と最終確認
内定取消しは、学生や求職者の人生を大きく左右する行為です。もしトラブルになれば、損害賠償請求や、企業の社会的信用の低下(ブラック企業という噂など)につながるリスクもあります。
こうした事態を防ぐために、企業として心がけていただきたいポイントをまとめました。

1. 内定出しの前の最終確認
「本当にこの人を採用して大丈夫か?」「採用基準を満たしているか?」を、内定通知を出す直前にもう一度確認しましょう。
2. 取消事由の明記
内定通知書や誓約書に、「どのような場合に内定を取り消す可能性があるか」を具体的に明記しておくことが重要です。ここが曖昧だと、後々の紛争の種になります。
3. 誠意ある説明
やむを得ず内定を取り消す場合でも、一方的な通告は避けてください。対象者に対して、なぜそのような判断に至ったのかを誠心誠意説明し、理解を求めるプロセスが不可欠です。
経営者・人事担当者様へ|労務トラブルは「弁護士への早期相談」で解決
内定は、会社から候補者への「約束」です。だからこそ、慎重な判断が求められます。
しかし、予期せぬトラブルはいつ起こるかわかりません。「これって経歴詐称と言えるのかな?」「経営悪化による内定取消しは認められる?」など、判断に迷うことがあれば、私たち弁護士を頼ってください。
冒頭でもお伝えしましたが、私は「気軽に相談できて安心できる弁護士」でありたいと思っています。
「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮せず、トラブルが大きくなる前に、ぜひ一度ご相談ください。御社の健全な発展と、適正な労務管理を全力でサポートいたします。
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