遅刻・無断欠勤を繰り返す問題社員への退職勧奨と解雇ルール|訴訟を防ぐ法的実務ガイド
「遅刻や無断欠勤を繰り返す」
「注意すると体調不良を訴えて休職する」
といった勤怠不良社員への対応は、中小企業において最も頻度が高く、対応に注意を要する課題です。
本記事では、勤怠不良に関する法的整理と、よくある2大トラブルパターンの回避策を解説します。
1. 勤怠不良での「いきなり懲戒解雇」は違法?普通解雇・退職勧奨の正しい法的判断基準
勤怠不良の法的整理

懲戒解雇は非常に難しい
単なる遅刻・欠勤の繰り返しだけでは、原則として懲戒解雇事由には当たりません。
普通解雇は可能なケースもある
度を超えた勤怠不良(長期の無断欠勤継続や、再三の指導・警告にもかかわらず改善が見られない場合)は、普通解雇の対象となり得ます。
客観的記録がすべての鍵
出退勤データ、指導履歴、書面による注意書の保管が絶対条件です。
2. 人事が直面する「勤怠不良トラブル」2大パターンと具体的な防衛策
パターン①:指導後に音信不通が続く社員を就業規則で自己都合退職(自然退職)にする危険性
指摘を続けると来なくなる

状況
遅刻を注意したり、退職勧奨をした結果、連絡を絶って出社しなくなり、後から「不当解雇された」と主張して争ってくるケース。
対策
指導の都度、メールやチャット等のテキストで記録を残す。
就業規則に「連絡なき欠勤が〇日以上続いた場合は自己都合退職(または自然退職)とみなす」という規定を設けておく。
そのうえで解雇予告通知を内容証明または配達記録付き郵便で発送する。
パターン②:注意すると「メンタル不調・パワハラ」を主張する社員への受診・休職命令の出し方
指摘が続くと体調不良になる

状況
注意を受けたあと「プレッシャーで体調を崩した」と主張し、休職と復職・再欠勤を繰り返すケース。パワハラを主張されるリスクが最も高いと言えます。
対策
就業規則に「休職命令」の規定を整備しておく。
責めるトーンを避け、医療機関への受診勧奨を行う。
3. 不当解雇リスクをゼロにする勤怠不良社員への「4段階アプローチ」
勤怠不良への対応策

① 客観的データの記録
感情を排し「〇月〇日、〇時〇分に着席(タイムカードでもよい)」という客観的事実を記録する。
② 証拠の保全
注意書、始末書、出退勤システムのログ、メール履歴を保管する。
③ メンタル配慮と受診指示
責めるのではなく「業務改善を求める」姿勢を貫き、体調不良の訴えには病院受診を促す。
④ 段階的プロセスの順守
口頭注意→書面注意・始末書→懲戒(戒告・減給)→退職勧奨→普通解雇
まとめ:就業規則の事前整備と客観的証拠(出退勤ログ・注意書)が会社を救う
勤怠不良への対応は、事前の就業規則の整備と客観的な証拠収集が命運を分けます。感情的にならず、段階的なステップを粛々と進めましょう。
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