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「休職満了だから自動退職」は一発アウト?音信不通の従業員への正しい実務対応と4つの防衛策

「連絡もつかないし、休職期間も終わるから、このまま自動的に退職扱いにしよう」

もしそう考えて手続きを進めようとしているなら、今すぐストップしてください。会社にとって致命的な地雷を踏む一歩手前です。
メンタルヘルス不調などで休職した従業員が音信不通になった際「期間満了=自動退職」と安易に処理することは極めて危険です。

労働者が退職を争った場合には、会社側が「誠実に対話を試みたか」「本当に復職できない状態なのかを医学的に判断しようとしたか」というプロセスが厳しく問われます。
これらを怠って退職処理を行うと、後から「不当解雇だ」と訴えられ、働いていない期間の給与(数百万〜数千万円規模)を過去に遡って全額支払う(バックペイ)リスクを負います。

本記事では、多くの労務トラブルを解決してきた弁護士の視点から、連絡が取れない従業員への正しい実務対応と、裁判で負けないために会社が絶対に踏むべき「4つの防衛ステップ」を分かりやすく解説します。
自社を理不尽な法的リスクから守るために、今すぐチェックしてください。

【満了=退職ではない】知らないと泥沼化する「休職制度」の法的な落とし穴と大前提

「休業期間が長期化したら自動的に退職になる」と思われがちな休職制度ですが、まずは法律上の前提を正しく知っておく必要があります。

休職・退職・就業規則の前提確認

休職期間が満了したときの扱いは、実は以下の4つのポイントを慎重に確認しなければなりません。

【労基法に規定なし】すべては会社の就業規則で決まる

労働基準法には「休職」に関する明確な規定はありません。
つまり、休職制度は会社が独自に就業規則で定めておく必要があります。

【自動退職か解雇か】命運を分ける就業規則の規定文言

期間が満了したときに「退職(自然退職)」になるか「解雇」になるかは、自社の就業規則にどう書かれているかによって決まります。

【音信不通でも不可欠】会社側に課される復職可否の判断義務

連絡が取れなかったり、社員から詳しい事情が聴けなかったからといって、会社側がそのまま退職処理を進めるのは危険です。「本当に働けない状態なのか」を会社としてきちんと判断したのかプロセスが問われます。

【医学的エビデンス】主治医・産業医の意見がないのは危険

本人が「復職できるかわからない」と言ったり、連絡が取れなかった場合には、主治医の診断書や産業医の意見を確認し、医学的な見地から客観的に判断する必要があります。
つまり「期間が来たから右から左へ自動的に退職処理をして終わり」とはいかないのが、この問題の難しいところなのです。

【敗訴を回避】休職満了時に裁判所から厳しくチェックされる3つの判断基準

では、実際に休職満了を迎える際、会社はどのようなポイントを基準に判断を下せばよいのでしょうか。

休職期間満了時の判断ポイント

判断を誤って後々紛争に発展させないために、以下の3つのポイントを確実に押さえましょう。

①【就業規則の精査】退職規定の有無が解雇のハードルを左右する

まずは自社の就業規則を隅々までチェックしてください。
「休職期間が満了し、復職できない場合は自然退職とする」という文言(自然退職規定)が記載されているか確認します。
もし規定が曖昧だと、退職ではなく「解雇」の手続きを選択せざるをえず、退職へのハードルが跳ね上がります。

②【意思確認をとる努力】連絡が取れない社員に対しても復職意思確認を講じる

連絡が取れない場合でも、会社としては復職の意思確認や体調のヒアリングを試みる努力(書面の送付など)を行う必要があります。

③【復帰できるか】復帰の基準と会社側に求められる配慮義務の検討ライン

復職の基準は、原則として「休職前の元の業務を通常のレベルで行えるまで回復しているか」です。
しかし、裁判例のなかには、元の業務に完全に戻れなくても「簡単な軽作業ならできる状態」であり、会社にその余裕がある場合は、一定の配慮(慣らし勤務や配置転換など)を検討すべきだとされるケースもあります。
会社側が一定の配慮もせずに復職を拒絶してしまうと「不当な退職」とみなされる危険性があります。

【会社を守る防衛策】労働裁判で勝つための「4ステップ」対応マニュアル

連絡が取れない、あるいは対応に迷う従業員の休職満了手続きを進める際は、会社を守るために次の4つの注意点を確実に実行してください。

休職満了手続きのまとめ

1.【規程の再確認】休職期間の計算ミスや手続きの漏れを徹底排除する

すべての根拠は就業規則にあります。休職の手続き(休職命令は適切な時期、内容で社員に伝えたか)、期間の計算方法(必要な欠勤期間、起算日と満了日)や、満了時の手続きがルール通りか再確認しましょう。

2.【受診勧告の実績】産業医面談や診断書提出を求めた「プロセス」の構築

社員から復職の可能性を聞かれる場合には、可能な限り、診断書の提出を求めたり、産業医の面談を設定しようとしたりした「実績」を作ってください。

3.【拙速な通知はNG】段階的なアプローチと期限に余裕を持った退職予告

期間満了後すぐに「退職です」と通知するのではなく、段階を踏んで連絡を取り、期限に余裕を持って通知を送りましょう。

4.【証拠化の徹底】郵便物の発送受領記録と電話、メッセージ履歴などの時系列ログを残す重要性

「○月○日に電話したが繋がらなかった」「○月○日に体調伺いの書面を郵送した(特定記録郵便など)」といった、会社が誠実に対応しようとした証拠をすべて時系列で記録に残すことが、万が一の裁判で会社を守る最大の武器になります。
適切な「規程」と、誠実な「手順」を踏むことこそが、最終的に会社をトラブルから守る鍵となります。

【最終結論】メンタル休職の泥沼紛争を防ぎ、健全な組織を維持するための処方箋

休職・復職をめぐるトラブルは、従業員の健康問題やメンタルヘルスが絡むため、非常にデリケートで複雑です。
「ろくに応答してもらえず、退職手続きを進めた後で弁護士から通知書が届いた…」という事例は後を絶ちません。
少しでも「就業規則のこの書き方で大丈夫かな?」「連絡がつかない社員にどうアプローチすればいい?」と迷われたら、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。

私たちは、経営者の皆さんが「相談して本当にスッキリした!」と安心できるよう、難しい法律の仕組みをどこよりも噛み砕いて、味方としてサポートすることをお約束します。
一緒に、リスクのない強い会社を作っていきましょう!

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