パートの有給「年5日義務化」を違反していませんか?付与条件と計算方法の完全ガイド
「パートやアルバイトに有給休暇を与える必要はない」
「うちは小さな会社だから、労働基準法は関係ない」
もし、このように認識されていた場合、それは法律違反(労働基準法違反)のリスクがあります。
こんにちは。TMG法律事務所の弁護士吉田浩司です。多くの経営者様から「週2〜3日のパートさんにも有給は必要なの?」というご相談をいただきます。結論から申し上げますと、所定の条件を満たせば、雇用形態に関わらず有給休暇の付与は義務となります。
この記事では、弁護士の視点から以下のポイントを分かりやすく解説します。
- パート・アルバイトの有給休暇が発生する「2つの条件」
- 「有給なし」としていた場合の法的リスクと罰則
- 経営者が今すぐ確認すべき労務管理チェックリスト
「知らなかった」では済まされない労務トラブルを未然に防ぎ、会社と従業員を守るための正しい知識を身につけましょう。
パートの有給休暇「なし」は違法?経営者が陥りやすい誤解とリスク
- 「パートスタッフは正社員と違うから、有給休暇はなくて大丈夫だろう」
- 「契約書にも書いていないし……」
実は、これらは非常によくある誤解です。
結論から申し上げますと、パート・アルバイトの方にも有給休暇を与える義務があります。
「週1回勤務なら対象外」は間違い?労働基準法における付与義務のルール
雇用形態に関わらず与える義務がある

労働基準法において、有給休暇の付与義務は「雇用形態」に関わらず発生します。
- 正社員
- 契約社員
- パート
- アルバイト
これらの名称による区別は、法律上は関係ありません。条件さえ満たせば、すべての労働者に有給休暇を付与する義務が企業にはあります。
「うちはパートさんとは『有給なし』で合意している」という主張も、法律(強行法規)が優先されるため無効となります。後々のトラブルを防ぐためにも、まずは「全従業員が対象になり得る」という認識を持つことがスタートラインです。
いつから発生する?有給休暇が付与される「2つの必須条件」と計算基準
では、採用したその日から全員に有給休暇が発生するのでしょうか?
いいえ、そうではありません。有給休暇が付与されるには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。
有給休暇を付与する2つの条件

条件①:継続した勤務
雇入れの日から6ヶ月以上継続して勤務していること。
(※6ヶ月経過後、次は1年6ヶ月、2年6ヶ月……と1年ごとに付与のタイミングが来ます)
条件②:期間内の出勤
その期間(最初の6ヶ月間など)の全労働日の8割以上で出勤していること。
この2つを満たしていれば、週1日勤務のアルバイトの方であっても、その所定労働日数に応じた有給休暇(比例付与)が発生します。
💡 弁護士のワンポイントアドバイス
シフト制などで「全労働日」がわかりにくい場合でも、契約上の労働日数を基準に計算します。ここが曖昧になっていると労務管理上のリスクになりますので、雇用契約書(労働条件通知書)で定めておくことが重要です。
罰則リスクを回避!経営者が今すぐ確認すべき「3つの労務チェックリスト」
「法律はわかったけれど、具体的に何をすればいいの?」
そう思われた経営者の皆様、最後にこちらのチェックリストで現状を確認してみましょう。
有給休暇の3つのチェックリスト

全従業員の勤怠管理はできていますか?
正社員だけでなく、パート・アルバイトの方の出勤率を把握できていないと、有給休暇が発生しているかどうかの判断ができません。「タイムカードがない」「シフト表だけで管理している」という場合は要注意です。
勤続6ヶ月を超えるスタッフを把握していますか?
「気づいたら入社して半年経っていた!」とならないよう、入社日の管理とアラートが必要です。有給休暇の基準日は自動的にやってきます。
「年5日の取得義務」を果たせていますか?
ここが特に重要です。2019年の法改正により、「年10日以上の有給休暇が付与される従業員」に対しては、年5日の有給休暇を実際に取得させることが会社の義務となりました。
これは正社員だけでなく、労働日数の多いパートスタッフ(週4日以上勤務など)も対象になるケースがあります。「忙しいから取れない」は通用せず、違反すると罰則の対象にもなり得ます。
労務トラブルを未然に防ぐために|TMG法律事務所への相談案内
- 「うちは大丈夫かな?」
- 「計算方法が複雑でわからない」
そう感じたら、トラブルが起きる前に専門家へご相談ください。
私たちTMG法律事務所は、難しい法律用語を並べるのではなく、御社の実情に合わせた現実的な解決策を一緒に考えます。
従業員が安心して働ける環境は、結果として会社の成長と安定につながります。
労務管理の不安を解消して、本業に邁進できる体制を整えましょう。いつでもお気軽にお声がけください。
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