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「試用期間なら解雇できる」は大間違い?労務リスクを回避する正しい解雇ルールと3つの対策

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「採用してみたけれど、思ったようなスキルがなかった」「職場の雰囲気にどうしても合わない」

そんな時「まあ、まだ試用期間中だし、本採用しなければいいか」と軽く考えていませんか?
実はその判断、会社の存続に関わる大きな法的リスクを孕んでいるかもしれません。

多くの経営者様が「試用期間=お試し期間だから、いつでも契約解除できる」と誤解されていますが、法的には非常に高いハードルが存在します。安易な判断は、後に数百万円規模の解決金や、長期化する労使トラブルを招きかねません。

こんにちは。TMG法律事務所の代表弁護士です。今回は、数多くの企業法務に携わってきた経験から、採用のミスマッチを防ぎ、不要な労使トラブルを回避するための「試用期間の正しい知識と運用ルール」について、実務的な観点で解説します。

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1. 「試用期間=お試し」ではない?経営者が知るべき法的な「労働契約」の真実

まず、一番大切な前提知識からお話しします。
多くの経営者様が「試用期間=お試し期間だから、契約はまだ不安定なもの(いつでも切れるもの)」と誤解されています。

しかし、法的には試用期間が始まった時点で「労働契約」は成立しています。

「解約権留保付労働契約」とは?即時解雇が認められない理由

法律用語では、試用期間中の契約を「解約権留保付労働契約」と呼びます。
少し難しい言葉ですが、要約すると以下のようになります。

  • 契約は成立している: すでにあなたの会社の社員です。
  • 解約権が留保されている: 通常の社員よりは、解雇(本採用拒否)のハードルが少しだけ低い状態です。

「少しだけ低い」というのがポイントです。あくまで「解雇」の一種であるため、「気に入らないから明日から来なくていい」といった自由な解雇は絶対に認められません。

2. 能力不足や相性の不一致はNG?本採用拒否(解雇)が認められる「客観的理由」の境界線

では、具体的にどのような理由であれば、試用期間中の解雇(本採用拒否)が認められるのでしょうか?
ここで重要になるキーワードが「客観的に合理的な理由」です。
社長や上司の「主観」ではなく、誰が見ても「それは仕方がない」と思える事実が必要です。

裁判例から見る【OK事例・NG事例】経歴詐称や協調性不足はどう判断されるか

【OK例】認められる可能性が高いケース

  • 経歴詐称の発覚: 重要な資格や経験を偽っていた場合。
  • 著しい協調性不足: 再三の指導にも関わらず改善が見られない場合。
  • 無断欠勤の繰り返し: 勤怠が著しく不良で、業務に支障が出る場合。

【NG例】認められない可能性が高いケース

  • 「イメージと違った」: 採用側の調査不足とも言えます。
  • 「なんとなく合わない」: 具体的な事実がない抽象的な理由。
  • 「期待したレベルに達していない(指導なし)」: 適切な教育指導を行わずに能力不足とするのは困難です。特に新卒、や未経験の労働者は「最初だからできないのは仕方ない」と裁判所に評価されます。

このように、裁判所は「会社側が十分な指導・教育を行ったか?」という点も厳しくチェックします。

3. 訴訟リスクを回避するために会社が今すぐやるべき「3つの鉄則」

万が一、本採用を見送らざるを得ない状況になった時、会社を守るのは「記録」と「ルール」です。
トラブルを未然に防ぐため、以下の3点を必ずチェックしてください。

【就業規則・指導記録・判断基準】「言った言わない」を防ぐ証拠の残し方

① 就業規則に「試用期間」の定めがあるか?

就業規則に、試用期間の長さや、本採用拒否の事由(どのような場合に本採用しないか)が明記されている必要があります。ここが曖昧だと、いざという時に戦えません。
また、予告期間も設定されているはずです。本採用日間際に伝えることのないように注意しましょう。

② 期間中の面談や指導の「記録」を残しているか?

これが最も重要です。
「何度も注意しました」と口で言うだけでは証拠になりません。

  • いつ、どのような問題行動があったか
  • 会社はどのような指導をしたか
  • 本人はどう反応し、改善されたか(されなかったか)

これらを面談記録やメール、日報などで残しておきましょう。

③ 本採用の判断基準は明確か?

「なんとなく」ではなく、具体的なスキルや勤怠状況など、クリアすべき基準を設け、本人とも共有しておくことが理想的です。

最後に:判断に迷ったら弁護士へ

試用期間満了のタイミングでのトラブルは、非常に多く発生します。
「これくらいの理由なら解雇しても大丈夫だろう」という自己判断は危険です。

もし、現在試用期間中の社員への対応で迷われているなら、本採用の可否を決定する前に、ぜひ一度ご相談ください。
「指導の記録の残し方」から「面談での伝え方」まで、トラブルを回避するための具体的なアドバイスをさせていただきます。

弁護士は、トラブルが起きてから火消しをするだけでなく、トラブルを未然に防ぐためのパートナーでもあります。
どうぞお気軽に、TMG法律事務所までお問い合わせください。

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