【弁護士解説】中小企業の「ハラスメント相談窓口」義務化対応|形骸化させない3つの運用ステップ
TMG法律事務所の代表弁護士です。
「弁護士への相談」と聞くと、少し身構えてしまいませんか?
私は、そんな「難しい・怖い」といったイメージを少しでも和らげ、経営者の皆様が気軽に、そして安心して相談できるパートナーでありたいと考えています。
本日は、多くの企業様からご相談をいただく「ハラスメント相談窓口の設置」について、画像を交えながら分かりやすく解説します。
「法律で決まっているからとりあえず作ったけれど、誰も使っていない……」
そんなお悩みをお持ちの経営者・人事担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。
企業経営において、今や避けては通れない課題が「ハラスメント対策」です。
特に「相談窓口」の設置については、作り方や運用方法に悩まれている経営層の方が非常に多くいらっしゃいます。
今回は、形だけではない「本当に機能する相談窓口」を作るためのポイントを、弁護士の視点で紐解いていきます。
【全企業の法的義務】なぜハラスメント相談窓口の設置が必要なのか?パワハラ防止法を解説
まず大前提として知っておいていただきたいのは、ハラスメント相談窓口の設置は「全企業の法的義務」であるということです。
ハラスメント相談窓口は全企業の法的義務

パワハラ防止法による義務化
これまでは大企業のみが対象でしたが、現在は「パワハラ防止法(労働施策総合推進法)」により、企業の規模を問わず、すべての中小企業にも相談窓口の設置と従業員への周知が義務付けられています。
設置の目的は「予防」と「早期解決」
「義務だから仕方なく設置する」のではなく、目的を正しく理解しましょう。
窓口の最大の役割は、ハラスメントの早期発見と解決、そして予防です。
問題が大きくなってから対応するのと、初期段階で芽を摘むのとでは、企業が負うリスク(損害賠償や社会的信用の失墜)に雲泥の差が出ます。
しかし、ただ「窓口を作りました」と言うだけでは意味がありません。
「作っただけ」で終わらせず、「機能する窓口」にするにはどうすればよいのでしょうか?
弁護士が教える「機能する相談窓口」の作り方|失敗しない運用の3ステップ
実際に現場で機能する窓口を作るためには、以下の3つのステップを意識してください。
機能する窓口を作るための3ステップ

①【担当者選定】男女複数名・外部委託で「相談しやすさ」を確保する
一般的には人事担当者が窓口になることが多いですが、ここで重要なのは「相談しやすさ」です。
- 複数名配置する: 「担当者が男性1名だけ」だと、女性社員はセクハラの相談をしにくくなります。男女両方の担当者を置くのが理想です。
- 外部委託の活用: 社内の人間には話しづらいケースもあります。顧問弁護士や専門業者など、外部の窓口を設けるのも非常に有効です。
②【ルール策定】事実確認とプライバシー保護のフローを就業規則に定める
相談を受けた後のフローが決まっていないと、担当者がパニックになってしまいます。
- 相談後の事実確認(調査)はどう進めるか?
- 相談者のプライバシーはどう守るか?
- 相談したことで不利益な扱い(報復)を受けないことを規定しているか?
これらを明確にルール化し、就業規則等に定めておく必要があります。
③【周知徹底】「形だけ」にしないための継続的な社内アナウンス
どんなに立派な窓口を作っても、従業員がその存在を知らなければ宝の持ち腐れです。
- 一度メールを送って終わり、では不十分です。
- 社内研修で繰り返し伝える。
- 社内掲示板やイントラネットの目立つ場所に掲示する。
「困ったときはここへ」とすぐに思い出せる状態にしておくことが大切です。
まとめ:リスク回避と信頼獲得のために、経営トップが「相談しやすい雰囲気」を作る
最後に、自社の状況をチェックしてみてください。
ハラスメント相談窓口のまとめ

- 担当者は明確に決まっていますか?
- 従業員への周知は徹底されていますか?
- 相談後の対応フローは明確ですか?
システムやルールも大切ですが、最も重要なのは「相談しやすい雰囲気」です。
「こんなことを相談したら怒られるのではないか」「どうせ会社は守ってくれない」と従業員が感じていれば、窓口は機能しません。経営トップが「ハラスメントは許さない」「相談者は必ず守る」というメッセージを発信し続けることが、風通しの良い職場への第一歩です。
もし、相談窓口の設置方法や、発生してしまったハラスメント案件への対応でお困りの際は、私たち弁護士にご相談ください。
法的リスクを回避しつつ、御社にとって最適な解決策を一緒に考えさせていただきます。
TMG法律事務所は、経営者の皆様の「転ばぬ先の杖」として、いつでもお待ちしております。
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