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「育休とるなら別部署で」は違法?弁護士が教える妊娠・出産時のマタハラ地雷と正しい実務対応

「小さな会社だから、急に育休で長期離脱されると現場が回らなくて正直厳しい」
「負担を減らすために、復帰後は少し楽な別の部署に移ってもらおう」

経営者や現場責任者として、良かれと思った配慮や本音ベースの対応が、実は法律上の「重大なハラスメント(マタハラ)」や「違法な不利益取扱い」として問題になるケースが多発しています。
育児・介護休業法の改正によって、妊娠・出産を申し出た社員への「個別周知・意向確認」が義務化されており、対応を誤れば労働局からの是正指導や、損害賠償紛争、さらにはSNS炎上という重大な経営リスクを負うことになります。

本記事では、弁護士の視点から「知らなかった」では済まされない妊娠・出産した社員への正しい実務対応と、マタハラを回避する「4つの絶対防衛策」を分かりやすく解説します。
優秀な人材の離職を防ぎ組織の安全を守るために、自社の対応に穴がないか今すぐチェックしてください。

【無意識の違法行為】「現場が回らない」の本音が引き起こす重大な労務リスクと法的リスク

「小さな会社だから、急に長期で休まれると現場が回らなくて正直厳しいな…」
経営者や現場の責任者として、本音がポロリと出てしまうこともあるかもしれません。
しかし、労務管理においてその感情をそのまま対応に出してしまうのは、極めて危険です。まずは以下の法律上の大前提を一緒に確認しましょう。

妊娠出産時の前提を確認

①【拒否不可】規模を問わず全企業に適用される産休・育休制度

産前産後休業(産休)や育児休業(育休)は、労働基準法や育児・介護休業法で定められた「労働者の正当な権利」です。
会社の規模や就業規則の記載に関わらず、条件を満たした従業員から申請があれば、会社は必ず拒否せずに取得させなければなりません。

②【不利益取扱禁止】配置転換も違法になりうる禁止事項

法律では、妊娠・出産・産休や育休の申出・取得を理由に、従業員を不利に扱うことは禁止されています。
出産前後や育児中は、これまでと同じ働き方が難しくなることもあります。しかし、会社が一方的に「負担の少ない仕事に変えておこう」「責任ある業務から外しておこう」と判断するのは注意が必要です。
たとえ配慮のつもりでも、役職を外す、重要な仕事を任せなくする、昇進しにくい部署へ異動させる、通勤が大幅に不便になる配置に変えるといった対応は、不利益な取扱いと判断されることがあります。

③【マタハラ防止義務】企業が負うべき義務

言葉による嫌がらせだけでなく「妊婦だから」という理由で本人の意思に反して重要な仕事を外したり、勝手に降格させたりする行為もマタハラに該当します。会社には、こうしたハラスメントが発生しないよう体制を整える義務があります。

④【一発違法・無効】育休取得を理由とする解雇・減給処分がもたらす致命的な結果

「休むなら代わりの人を雇うから辞めてもらう」「育休復帰後は一律で基本給を下げる」といった対応は、違法・無効のおそれがあります。
会社の都合を優先して「迷惑」という態度で接したり、一方的な不利益を課したりする対応は、企業のブランドや経営に重大なダメージを与えるリスクがあります。

マタハラ紛争を防ぎ組織を円滑に回す3つの実務ステップ

では、従業員から妊娠・出産の報告を受けた際、会社は具体的にどのように対応を進めればよいのでしょうか。
押さえるべきポイントは以下の3点です。

妊娠出産報告を受けた時の対応ポイント

対応を誤ると、従業員との信頼関係が崩れるだけでなく、労働局からの是正指導、従業員からの損害賠償を請求される紛争に発展しかねません。

①【個別周知・意向確認の義務】法改正で必須となった育休制度の案内と面談対応

会社側から、産休・育休の制度内容や、休業中に本人がもらえる給付金(出産育児一時金、育児休業給付金など)、社会保険料の免除手続きについて正しく案内しましょう。
育児・介護休業法では「妊娠・出産の申し出をした従業員に対して、会社が個別に制度を知らせ取得の意向を確認すること」が義務付けられています。

②【残業免除と代替要員】他のメンバーへの負担集中を防ぐための業務分担リデザイン

本人が体調に無理なく働けるよう、妊娠中の残業免除や軽易な業務への転換などの希望を聞き取り、現場の業務分担を適切に調整します。
また、休業中の穴埋めについて、他のスタッフだけに負担が集中しないよう、人員配置やアウトソーシングの活用を計画的に進めることが大切です。

③【職場復帰プラン】時短勤務や急な欠勤を想定した事前面談と環境整備

「休業前とまったく同じパフォーマンスをすぐに求める」のは禁物です。
復帰直後は子どもの急な発病による欠勤や、時短勤務の希望などが想定されます。あらかじめ「復帰後にどのような働き方を希望するか」を面談で話し合い、スムーズに職場復職できる環境を整えておきましょう。

【企業防衛の鉄則】ハラスメント訴訟の証拠を残さないための4大注意点

妊娠・出産を迎える従業員を温かく迎え、かつ会社の業務を円滑に回すために次の4つの注意点を確実に実行してください。

妊娠出産対応の注意点まとめ

1.【本人の同意が鉄則】客観的必要性と十分な話し合いによる合意形成

「よかれと思って」であっても、本人の同意のない職種変更、業務変更に伴う減給は不利益取扱いに該当するおそれがあります。
配置転換などを行う場合は、必ず客観的な必要性があり、本人と十分な話し合いの上で納得・合意を得ることが鉄則です。

2.【産後パパ育休対応】最新の法改正に準拠した社内規程のアップデート

「男性の育休(産後パパ育休)」も含め、最新の法改正に沿った社内規程が整っているか、いつでも正しく手続きを案内できる状態になっているかを確認しましょう。

3.【同僚発のマタハラ対策】業務をカバーする周囲への評価配慮と職場風土の醸成

マタハラトラブルで意外と多いのが、経営者ではなく「周囲の同僚からの心無い言葉(マタハラ)」です。
業務をカバーする周囲のメンバーに対しても、感謝を伝えたり給与査定への配慮を行ったりして職場全体で理解し合える雰囲気づくりを促しましょう。

4.【離職防止の仕組み】休業中の定期連絡から復帰までを繋ぐ復帰支援プログラム

休業中も定期的に会社の近況を連絡するなどして、復帰への不安を和らげる「復帰支援プログラム(プラン)」を整えておくことが、優秀な人材の定着につながります。

【最終結論】法改正の荒波を乗り越え、優秀な人材に選ばれる「強い会社」の作り方

妊娠・出産にまつわる労務管理は、育児・介護休業法の度重なる改正もあり、実務の手続きや現場での声掛けの仕方が非常に繊細で難しい分野です。

「社員から妊娠の報告を受けたけれど、育休規程の見直しが追いついていない…」
「本人の希望と現場の業務調整のバランスをどう取ればいいか、アドバイスがほしい」

そう思われた経営者様や人事担当者様は、トラブルが起きてお互いに不幸せな結果になってしまう前に、ぜひ一度お気軽に当事務所までご相談ください。
「法律で決まっているからこうしなさい」と一方的に型にはめるようなことはいたしません。
皆さんの会社の規模や現場の実態をしっかりとお聞きした上で、会社にとっても、新しく親になる従業員にとっても、そして周りで支えるスタッフにとっても、全員が笑顔で働ける「一番優しい解決策」を分かりやすくご提案いたします。

難しい法律の話も、いつでも笑顔で親身になってお答えします。会社の温かい未来を私たちと一緒にしっかりと作っていきましょう!

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