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【労基法違反を防ぐ】遅刻・欠勤の給与天引きはいくらまで?「ノーワーク・ノーペイ」と減給処分の正しい境界線

こんにちは!TMG法律事務所の代表弁護士吉田です。
今回のテーマは、日々の労務管理で発生しがちな「遅刻や欠勤時の給与天引き(賃金控除)」についてです。

  • 「度重なる遅刻へのペナルティとして、給与を多めに差し引いてもいい?」
  • 「15分遅刻したから、キリよく1時間分の給与をカットするのは違法?」
  • 「欠勤した日の給与天引き、労働基準法に則った正しい計算方法が分からない…」

従業員の規律を正すために、厳しいペナルティを科したいと考える経営者の方は少なくありません。
しかし、日本の労働法には「全額払いの原則」という非常に強力なルールがあり、教育の意図で行った「お仕置き天引き」が、一歩間違えれば重大な労働基準法違反(懲役や罰金リスク)に発展する恐れがあります。

今回は、経営者が絶対に知っておくべき「ノーワーク・ノーペイの原則」「減給処分」の正しい境界線、そして違法と言われないための判断ポイントを弁護士が分かりやすく解説します!

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1. 労働基準法「全額払いの原則」とは?経営者が知るべき給与天引き(賃金控除)の基本

従業員が遅刻をしたり、連絡なしに欠勤したりすると、会社の業務に支障が出るため、経営者としては厳しい対応を取りたくなるものです。
しかし、日本の労働基準法には「全額払いの原則」という大変強いルールがあり、会社が自由に給与を天引きすることは認められていません。
まずは、賃金控除を考える上で大前提となる以下の4つのポイントを押さえましょう。

賃金控除の4つの前提

  • 働かない分(不就労分)の給与は控除できる
  • ただし、ペナルティとしての「制裁(減給処分)」とは完全に別物
  • 労働基準法には「全額払いの原則」がある
  • 給与から控除(天引き)するためには明確な根拠が必要

「遅刻したから、お仕置きとして多めに給与を引いておこう」という対応は、一歩間違えると労働基準法違反になってしまう恐れがあります。
正しい判断のポイントを次に詳しく見ていきましょう。

労働者に対する賃金控除の前提

2. 知らないと違法!「ノーワーク・ノーペイ」と「減給の制裁(ペナルティ)」の3大識別ポイント

遅刻や欠勤への対応で会社が法的なペナルティを受けないためには「ノーワーク・ノーペイの原則」と「減給の制裁(ペナルティ)」の違いを明確に理解して使い分ける必要があります。

法的ペナルティを受けないための判断ポイント

① 【適法】働いていない時間分をぴったり差し引く「ノーワーク・ノーペイの原則」

労働法には「働いていない時間分の給与は支払わなくてよい」という原則(ノーワーク・ノーペイの原則)があります。
例えば、時給計算で30分遅刻した場合、その「30分分の給与」をぴったり差し引くことは、法律上何の問題もありません。

② 【上限あり】労働基準法第91条が定める「減給の制裁(懲戒処分)」の厳格なペナルティ制限

もし「30分の遅刻に対して、ペナルティとして1日分の給与を引く」といった対応をする場合、それはノーワーク・ノーペイではなく「減給の制裁(懲戒処分)」という扱いになります。

この減給処分を行うには、労働基準法(第91条)による以下の厳格な上限ルールを守らなければなりません。

  • 1回の事由に対する減給額は、平均賃金の1日分の半額(50%)以下
  • 一賃金支払期(1ヶ月)の総減給額は、総支給額の10%以下

注意: 30分遅刻したからといって、ノーワーク・ノーペイの範囲を超えて数千円〜数万円を勝手に天引きしてしまうと、この上限をオーバーして違法となる可能性が非常に高いです。

③ 独断での天引きはNG!「就業規則(賃金規程)」への明記と正しい計算手順

不就労分の天引きを行うにしても、減給処分を行うにしても、会社側の独断で行うことはできません。
事前に就業規則(賃金規程)に正確な計算方法や懲戒の事由を明記しておく必要があります。

3. まとめ:遅刻・欠勤の適切な労務指導と会社を守るための就業規則見直し

従業員への適切な指導や公平な給与計算は会社の秩序を守るために不可欠ですが、正しいステップを踏まなければ、逆に会社側が労働法違反に問われてしまいます。改めて、対応の注意点をまとめました。

賃金控除の注意点まとめ

  • 不就労控除と制裁(ペナルティ)を区別する(単なる引き算か、処分かを明確に)
  • 計算根拠を明確にする(1分単位、あるいは15分単位など、規程に準拠した正しい計算を)
  • 全額払いの原則に注意する(法律の例外に当てはまっているか確認を)
  • 規程(就業規則・賃金規程)を整える(トラブル時に会社を守る最大の盾になります)

「正しい控除」を行うことが、無用な労務トラブルを防ぎ、従業員が納得して働ける健全な職場環境づくりへとつながります。

「今のうちの給与天引きの計算方法は、法律に違反していないだろうか?」
「問題のある従業員に対して、合法的に減給処分を行いたいけれど手続きが分からない」
「就業規則の賃金規程を見直したい」

そうした疑問や不安をお持ちの経営者様は、トラブルが大きくなる前に、ぜひ一度当事務所へお気軽にご相談ください。
会社のルールをしっかりと整備し、経営者様が安心して事業に専念できるよう、分かりやすく全力でサポートいたします!

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